Insurance社会保険について

フリーランスは個人事業主に当たるため、個人で社会保険に加入します。
会社員よりも保障の範囲が狭くなるため、その差分を埋める手段の検討も必要です。
万が一の事態になったとき、会社員よりも痛手を受けやすいフリーランスだからこそ、
知識をつけたうえで適正な備えができるようにしましょう。

そもそも社会保険とはInsurance

社会保険とは、次の5つの保険の総称です。

  • 医療保険
  • 年金保険
  • 介護保険
  • 雇用保険
  • 労災保険

※介護保険の負担に関しては40歳以上が対象です。40歳になったら自動的に資格を取得し、医療保険料と一体的に介護保険料も徴収されます。

会社員であれば「医療保険」は組合健保や協会けんぽ、「年金保険」は厚生年金になります。多くの場合は5つすべての保険に加入します。
フリーランスの場合は雇用契約を結びませんので、個人で医療保険、年金保険、介護保険に加入します。(雇用保険、労災保険は加入できません。)

フリーランスの医療保険Medical insurance

会社員からフリーランスになる場合、加入する医療保険の選択肢は次の2点のうちいずれかになります。

  • 国民健康保険
  • 所属していた会社の保険を任意継続(2年間)

国民健康保険に加入することが一般的ではありますが、所属していた会社の健康保険を任意継続することで得られるメリットもあるので検討したうえで決めるとよいでしょう。

【任意継続をするメリット】

任意継続をするメリットは、第一に扶養家族の保険料を払わずに済むことです。配偶者・扶養家族の年収が130万円未満であるなどいくつか条件がありますが、扶養家族が多い場合は、任意継続をしたほうがお得になることもあるでしょう。

※条件の詳細は、全国健康保険協会の「Q2:任意継続の被扶養者になるためにはどのような要件が必要ですか?」(https://www.kyoukaikenpo.or.jp/g6/cat650/r316/)をご覧ください。

任意継続をすると、これまで加盟していた健康保険組合の福利厚生等も引き続き受けられます。例えば、関東ITソフトウェア健康保険組合では、健康増進のための保養施設利用や健診サービスを提供しています。

国民健康保険の注意点として、会社で加入する健康保険加入者に支払われる「傷病手当金」はありませんので、病気やケガをした場合の自己負担は会社員より多くなります。

フリーランスの年金保険Pension insurance

フリーランスになった場合の年金保険は「国民年金」です。
※健康保険のように任意継続の制度はありません。

年金制度については「2階建て」と言われますが、1階の部分が国民年金(基礎年金)です。会社員が加入する2階部分が厚生年金に当たります。
それにより将来の受給額は厚生年金加入者の方が多くなります。

フリーランスの方が受け取れる年金額は基礎年金分のみですので、将来の受給額を増やしたい方は国民年金基金に加入するか、個人年金保険やiDeCoの加入を検討してみてもよいでしょう。

参考:iDeCo公式サイト
https://www.ideco-koushiki.jp/

労災保険や雇用保険に代わる保障Alternative guarantee

フリーランスには労災保険や雇用保険の加入権がありません。
会社員であれば病気やケガをした際に有給が使えたり、労災の認定がされれば保険金を受け取ることができます。また、解雇にあったり退職時に次の職が決まっていない場合には雇用保険によって保険金を受け取りながら職探しができたりします。
フリーランスは多くの場合には契約書に従って月の最低労働時間が決められているので、それを下回れば報酬から差し引かれてしまいます。
また、当然のことながら契約期間が終わってしまえば報酬は受け取れません。
こういったことを理由にフリーランスは怖いというイメージを持たれる方もいらっしゃいます。
ではフリーランスが労災保険や雇用保険に代わるような保障を受けたいと思ったらどうしたら良いのかというと、個人で「それ相応のものを準備する」ことになります。

病気やケガ等によって働けなくなったときの生活費を保証してほしい、生活費だけではなく事業継続全般に使えるお金を支給してくれる方が良い等、それぞれの要望に合わせた保険商品や給付制度を自分で探す必要があります。

その他保険の検討Other insurance

フリーランスの不安要素として大きいことと言えば「もしも働けなくなってしまったら」「クライアントに損害を与えてしまった場合」ではないでしょうか。
ある程度蓄えがあったとしても、貯金を切り崩すのは不安ですし、クライアントに与えてしまった損害額が貯蓄額を上回ってしまえば破産してしまいます。
会社員のように会社が守ってくれるわけではないので、自分に合った安心を準備しましょう。

フリーランス用の保険は数が少ないもののいくつかありますので検討してみてはいかがでしょうか。

①フリーランス協会に加入し、福利厚生を受ける

フリーランスの方向けのインフラとコミュニティを提供するプロフェッショナル&パラレルキャリア・フリーランス協会では、さまざまな保険を紹介しています。
さまざまな業種のフリーランスの方が加入している団体のため、幅広く情報を得たい方や備えを万全にしたい方は検討してみても良いでしょう。

②その他各業種特化の協会に加入し、福利厚生を受ける

医師・IT・デザイナーなど、業種別にさまざまな協会が存在します。
協会ごとに健保が用意されていたり、加入者限定の保険があったりします。
ご自分の職業が属している業種の協会を調べてみることもおすすめです。

③保険のあっせんもしてくれるエージェントから案件を紹介してもらう

ある程度実績のあるエージェントであれば、独自の福利厚生を用意している場合も多いです。案件情報の問い合わせとともに、保険等の福利厚生が存在するかも確認してみると良いでしょう。

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